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永井紺周郎と妻いと
門人たちと技術の伝承

永井紺周郎(ながい・こんしゅうろう)

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天保二年(1831年)10月11日生まれ。父吉十郎は針山、横坂家より入婿、母ふじは永井作左衛門の娘。明治二十年5月4日没。享年57。(→系図

いと(伊登とも書く)

ito天保七年(1836年)6月25日生まれ。追貝、金子半右衛門家より紺周郎に嫁ぐ。明治三十七年没。享年69。一女志ちは土出萩原家より文作を入婿にむかえる。文作は初代紺周郎没後二代永井紺周郎として家督を継ぎ、母いとともにいぶし飼いの普及につとめた。

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■文化庁が認定する「日本遺産」に《かかあ天下―ぐんまの絹物語―》が選ばれました(平成27年4月24日発表)。県と片品村など4市町村が申請した中に「農家の財布のひもはかかあが握るべし」と説き、養蚕指導をして回ったいとが当時の上州の女性の代表的存在として紹介され、それが「事物と人物のストーリー」を重視するという選定基準に合致したようです。事物はもちろん彼女が夫紺周郎亡き後取り仕切り、多くの門人を養成した永井流養蚕伝習所です。

*より詳しくは:
日本遺産(Wikipedia)
・「かかあ天下―ぐんまの絹物語―

 

最終更新:2015.4.26.

 

 

代々神官をつとめた永井家

kaikoinari針山の永井家から山道を1キロメートルほど登っていくと蚕稲荷と針山穴観音があります。紺周郎の祖父永井作左衛門はこの神官を務めました。娘のふじに入婿した吉十郎、つまり紺周郎の父、そして紺周郎自身もまた神官の役目を踏襲しました。この蚕稲荷についてはいくつかの言い伝えがありますが、それにつては別項でご紹介することにします。

「蚕」の本字は「蠶」ですが、古来から神として祀る信仰は日本各地にあります。また、古文書には「蚕」に、「神」の下に「虫」をあてた字が見られます。まさに神の虫という表意文字です。残念ながら、パソコンでは表示できません。永井紺周郎の門人名簿「明治十七年養蚕改良法方人名簿」には、「蚕」にこの「神の虫」の字が使われています。

(以下、原稿作成中)

片品村の蚕祭り

kaikoinari養蚕に携わってきた農家の人々は蚕を単に「かいこ」と言うことはありません。必ず「おかいこさま」「おこさま(お蚕さま)」と言いますが、それは単にもっとも重要な収入のもとだから、というだけではなく、そこには無意識のうちにある種の畏敬の念が伴っています。畏敬が大げさだと言うなら、素朴な信仰心と言いましょうか。

(以下、作成中)


紺周郎、請われて養蚕指導に歩く

慶応四年、会津戦争の終結後、間もなく「明治」と改元されます。しかし、新政府軍と旧幕府軍の戦いはこの後も仙台、北海道函館へと戦場を移しながら続き、明治二年五月、五稜郭の陥落によってやっと戊辰戦争に終止符が打たれます。日本という国に新しい時代が開かれます。この前後、山に囲まれた小さな村、片品村ではなにが起こっていたでしょうか。

永井紺周郎が後に「いぶし飼い」として方法化した蚕飼育のヒントを得たこの時、三十代後半、経験を積んだ働き盛りでした。養蚕は全ての農家にとってうまくいきさえすれば確実な収入が得られますが、作柄は蚕の餌となる桑の葉の収穫を含めて天候などの自然環境条件に依存することが大きいため、不作となると大変悲惨なことになります。こうした時代、偶然に発見した「いぶし飼い」の手法は大きな啓示となったであろうと思われます。二年続けて作柄が良かったこと、また自身が、おそらく神官の家柄ということから義侠心に富み、何かにつけ指導力を発揮することを求められる立場を自覚していたと考えられますが、紺周郎は自分の蚕の手があいている時には請われるままに積極的に出かけて部落内の人々に自分の体験を伝えて歩きました。

片品村越本の旧家かしやには多くの古文書が残され、学術的な研究の対象になっていますが、「かしや文庫」ともいうべき蔵書の中の一冊に「明治三年に養蚕の指導に紺周郎殿が来た」という記述があります。これを確認したのは、紺周郎から四代目にあたる子孫の永井留治さんです。留治さんは永井佐紺の筆名を持つ著述家であり、民話を採択したり、地域の歴史故事を素材にとった物語や尾瀬をめぐる紀行文など、多彩な創作活動をしてこられています。(→永井留治・佐紺)

(以下、作成中)

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